売上をつくる“仕組み”を再設計するためのチェックリスト10選
がんばっているのに売れない。
発信も、商品も、LINEも整えているのに、なぜか数字が伸びない。
──その原因、部分ではなく「全体」にあるかもしれません。
売上をつくるには、“点”で動くのではなく、“線”をつくることが必要です。
SNSで集客し、信頼を築き、商品を買ってもらい、またリピートや紹介につなげる。
この一連の流れが、一つの「仕組み」として繋がっているかどうかが、結果を大きく分けます。
本章では、自分のビジネスの仕組みを10項目でセルフチェックできるリストを紹介します。
読めば読むほど、「あ、ここが弱点だったのか」と気づくポイントが見えてくるはずです。
一つずつ確認しながら、「売れる仕組み」の再設計を始めていきましょう。
Tip 1:ターゲットと価値がズレていないか?
「がんばってるのに、なんか響かない」──それ、ズレてるかも。
SNS発信、ブログ、商品設計……。
どれだけ丁寧に取り組んでも、まったく反応がなければ辛くなりますよね。
でもそれ、「あなたが悪い」のではなく、「届け先」と「届ける中身」がズレているのかもしれません。
たとえば──
・初心者向けに売りたいのに、内容が専門用語だらけ
・30代女性がターゲットなのに、発信のトーンが固すぎる
・自信満々の商品紹介が、読み手には「売り込み」に感じられている
「誰に」「何を」届けるか。
この2つがしっかり合っていないと、どれだけ頑張っても空振りになります。
たとえば、こんなズレがよく起きます:
想定していたターゲット | 実際に届いている相手 | すれ違いの例 |
---|---|---|
忙しいワーママ | 子育て中の専業主婦 | 時間の使い方が根本的に違う |
フリーランスデザイナー | デザインを学びたい初心者 | スキルレベルが違う |
40代男性 | 20代女性 | ライフステージが違いすぎて共感されない |
再設計ポイント:
- **「この人に届けたい」**という相手を明確にしよう
→ 性別・年齢・生活スタイル・価値観まで“1人の人物像”で書き出してみてください。 - 「その人が今、最も困っていること」に言葉を合わせよう
→「こういう悩み、あるよね」と思ってもらえれば、読まれます。 - 届ける価値は、“提供側の論理”ではなく“相手の文脈”で翻訳する
→ 専門的なことも、かみ砕いて“読み手の言葉”に変換していきましょう。
💡「小さなワーク:
今、あなたのサービスや商品が「誰にとっての、どんな悩みを解決するものか」を“1ツイート分(140字)”で書いてみてください。
この言語化ができるようになれば、「ズレてないか?」の確認はいつでもできるようになります。
Tip 2:集客チャネルは“今の顧客”に合っているか?
ちゃんと発信してるのに、なぜか届かない──
もしかして、相手が「そこにいない」だけかもしれません。
あなたがどれだけ良い発信をしていても、それがお客さんの“いない場所”で行われていたら意味がない。
これは非常にシンプルで、けれど多くの人が見落としがちな盲点です。
たとえば…
- Instagramでがんばってるのに、理想のお客様は検索から情報を探している
- noteで一生懸命書いているけど、読者はYouTubeばかり見ている
- X(旧Twitter)で発信しても、そもそも対象の年代が使っていない
つまり、努力が間違っているのではなく、“届け方”が今の顧客に最適化されていないのです。
代表的なズレのパターン:
ターゲット | 情報収集チャネル | 合っていない発信例 |
---|---|---|
20代〜30代女性 | Instagram / TikTok | note中心で長文だけ |
BtoBの担当者 | Google / メール / X | Instagramだけで宣伝 |
子育て中の母親 | YouTube / LINE | ブログ更新しかしていない |
🟡解決のヒントは「顧客の行動観察」
- 「この人って、普段どこで何を見てるだろう?」を考えてみてください。
- できれば、既存のお客様やフォロワーに直接聞いてみるのも効果的です。
- SNS分析ツールやGoogleアナリティクスを使えば、意外な流入経路も見えてきます。
💡小さな見直しワーク:
あなたの今のメイン発信チャネルを1つ書き出してください。
次に「その媒体を、理想の顧客は本当に見ているか?」を考えてみましょう。
最後にひとつ。
「届け方がズレてる」だけで、
あなたの商品も、あなたの思いも、まるでなかったことになってしまう。
そんなの、もったいないと思いませんか?
Tip 3:興味→信頼→購入のステップが設計されているか?
「知らない人から、いきなり売られたら引きませんか?」
多くのビジネスが「見てもらえてるのに売れない…」と悩む原因。
それは、“信頼のステップ”を飛ばしてしまっていることがほとんどです。
たとえばこんなケース、ありませんか?
- Xで見つけた商品ページに飛んだけど、誰がやってるのか分からず不安で閉じた
- 発信は有益だけど、なんだか“売り込み感”が強くて距離を置いてしまった
- 興味はあるけど、「買う決め手」が足りずそのままスルーしてしまった
これらはすべて、「信頼を育てる設計」が抜けている状態です。
売れる流れの“階段構造”を理解しよう
以下は「興味」から「購入」に至るまでの典型的な流れです。
コピーする編集する【認知】→【興味・共感】→【信頼・納得】→【購入】
この階段を一気に駆け上がらせようとしても、人は動きません。
むしろ、階段を**「登りやすくしてあげる工夫」**が必要なのです。
具体的に言うと、たとえばこういう設計です:
ステップ | 設計の工夫例 |
---|---|
興味・共感 | SNSで悩みに寄り添う投稿/実体験のシェア |
信頼・納得 | 無料PDF/お客様の声/実績紹介/ライブ配信 |
購入 | 価値の再提示/限定性/購入者のフォロー導線 |
💡小さなワーク:
自分の発信〜販売までの流れを、【認知→興味→信頼→購入】の順で図にしてみてください。
「あ、このステップ抜けてたかも…」という箇所が見えてくるはずです。
補足メッセージ:
売れる仕組みというのは、
「売る力」よりも「信じてもらう力」がつくった関係の上に成り立ちます。
焦らず、階段をひとつずつ丁寧に。
Tip 4:「買う理由」が伝わっているか?
まずは、あなた自身に“3問ミニ診断”!
以下の質問に、即答できますか?
- なぜ、今この商品を買わなければならないのか?
- なぜ、他の類似商品ではなく“あなたの”商品なのか?
- なぜ、この価格で“納得できる”のか?
この3つの問いに答えられない場合──
お客様もまた、「買う理由」が分からずスルーしているかもしれません。
“買う理由”が伝わらない主な原因
- ベネフィット(得られる結果)がぼんやりしている
- 商品説明が機能や特徴だけになっている(感情的メリットが抜けている)
- 比較材料がないため、判断できず“保留”される
- 数量・期間など、決断を後押しする要素がない
伝えるべき3つの要素:
要素 | 内容 | 伝え方の例 |
---|---|---|
Why now? | 今買う理由 | 限定特典/価格変更予告/募集期限 |
Why you? | あなたから買う理由 | 経験/ストーリー/他者の声 |
Why this? | 商品自体の理由 | 圧倒的なベネフィットの提示/比較表/導入事例 |
ちょっとした改善で変わる、伝え方の例:
- BEFORE:「PDF教材つきオンライン講座です」
- AFTER:「3時間後には“自分で書ける”ようになるPDF教材つき講座。今週末で締切」
💡小さなワーク:
あなたの商品・サービスを見て、「今これを買う理由」が相手に伝わる一文を書いてみてください。
時間・数・機会──なにか“逃すと損”が伝わると、行動に繋がります。
Tip 5:価格設計と商品ラインナップに“抜け”はないか?
「この価格でいいのかな…」と悩む人ほど、ラインナップが足りない
「価格設定が難しい」
「3,000円のものは売れるけど、高単価商品は売れない」
「単価を上げると買われなくなる」
これは多くの個人事業主やフリーランスが抱える悩みです。
でも実は、“価格”そのものに問題があるというより、商品ラインナップの構造に抜けがあるケースが多いのです。
なぜラインナップが必要なのか?
人は商品を「単体」で判断しているのではなく、他の選択肢と比較しながら“自分に合ったもの”を選んでいるからです。
そのため…
- 安価な商品だけ → 「安いけど不安」
- 高額商品だけ → 「価値はありそうだけどハードルが高い」
- 真ん中の商品がない → 「選びようがない」
という“買わない理由”を無意識に生み出してしまいます。
価格設計のゴールデンパターン
ランク | 目的 | 価格帯の例 | 役割 |
---|---|---|---|
Entry(お試し) | 購入ハードルを下げる | 無料〜3,000円 | 信頼・体験 |
Core(主力) | 売上の柱 | 10,000〜30,000円 | 価値提供 |
Premium(上位) | 高い満足度・収益率 | 50,000円〜 | 単価アップ・本気度対応 |
このように“3階層”を用意することで、「どれかは自分にも合う」と感じてもらいやすくなります。
💡小さなワーク:
現在の自分の商品やサービスを3段階で整理してみてください。
「この間が空いているな」「ここが提案できていないな」と気づいた場所こそ、改善の伸びしろです。
Tip 6:顧客の声やデータが仕組みに活かされているか?
勘で動く時代は、もう終わった
「たぶんこれがウケると思う」
「この価格で大丈夫なはず」
「お客様、たぶん喜んでくれてると思う」
──そんな“感覚マーケティング”に頼っていないでしょうか?
努力や情熱はとても大事です。
でも、売れる仕組みをつくるには、お客様の声と、客観的なデータに基づいた判断が欠かせません。
感覚で動いていた頃の私(Before)
- 商品の反応が良いのか悪いのか、判断が主観的
- SNSの反応があっても「どの層が反応してるのか」が見えていない
- 購入者の感想を聞いても「なんとなく嬉しい」だけで終わっていた
データと声を活用し始めてからの変化(After)
- クリック率・CV率を数値で追い、改善点を明確にできた
- アンケートで「購入の決め手」「迷った理由」が見えるように
- 感想の中から“ベネフィットの再定義”ができ、訴求力がUP
データ=数字だけではない
- アンケート・DM・レビュー
- 会話の中でよく出てくる言葉
- SNS投稿に対する反応の温度感
すべてが、「あなたの商品は何で選ばれているのか?」を教えてくれるヒントです。
💡小さなワーク:
過去のお客様の感想やDMを3つ見直してみてください。
「どんな悩みを持っていたのか?」「なぜ購入を決めたのか?」を、自分なりに言語化してみましょう。
そこに、次の改善のヒントが隠れています。
Tip 7:全部一人でやっていないか?
あなたの“努力”が、仕組みを妨げているかもしれない
- デザインも、自分
- 発信も、自分
- コンテンツ制作も、問い合わせ対応も、経理も──すべて自分
フリーランスや一人事業主にありがちな“なんでも自分でやる文化”。
もちろん最初は仕方がないし、スキルアップの面でもメリットはあります。
でも、いつまでも「全部自分」では、仕組みは育たないのです。
なぜか?
- 自分の時間が“ボトルネック”になる
- ルーティン作業に追われて、改善や設計の時間がとれない
- 「今目の前の作業」だけで1日が終わってしまう
「忙しい=仕組みができていない証拠」と捉えてみてください。
分業・自動化・外注の視点を持つ
対象業務 | 解決策 | ツール・手段の例 |
---|---|---|
SNS投稿 | 自動化 | Buffer / Later / Notionカレンダー化 |
メール配信 | ステップ化 | AutoMail / Benchmark / ステップLINE |
バナー・画像制作 | 外注 | ココナラ / Canvaテンプレ化 |
繰り返し業務 | 自動処理 | Zapier / Notion AI / スプレッドシート連携 |
小さなワーク:
「この作業、別の人でもできるのでは?」と思う業務を3つ書き出してみましょう。
自分の価値が最大化される“時間の使い方”を意識することが、次のステージへの第一歩です。
最後に一言。
頑張り屋さんが陥りがちな落とし穴は、「自分ががんばるほど仕組みから遠ざかる」という矛盾です。
「自分が動かなくても売れる仕組み」を、少しずつ組んでいきましょう。
Tip 8:どこで“売上の流れ”が止まっているか把握しているか?
「やってるのに売れない」──
その“どこで止まっているのか”を、言語化できますか?
売れる仕組みとは、「見つけてもらう → 信頼される → 欲しくなる → 買われる」までの一連の流れで成り立っています。
しかしこの流れのどこかに“詰まり”があると、売上は止まります。
問題は、多くの人が「詰まっている場所」を特定できていないことです。
売上の流れ=4つのステージ
[1] 認知 → [2] 興味・共感 → [3] 信頼・納得 → [4] 購入
これらが“スムーズに繋がっている状態”が「売れる仕組み」です。
逆に、どれか1つでも詰まっていれば、売上は動きません。
自己診断チェックリスト(YES / NO)
以下の質問に答えてみてください。
「NO」が多いステージが、あなたの“詰まりポイント”です。
【認知】
- SNSや検索などから、毎週新しい人に見られている実感がある
- 商品や活動を“まだ知らない層”に向けた発信をしている
- 過去30日間でフォロワーや読者が増えている
→ NOが多ければ…「集客の流入口」に課題あり
【興味・共感】
- 投稿に「いいね」や反応、保存がついている
- 「それ、私のことです!」という声が届く
- 自分の発信が“悩みに寄り添っている”と感じられる
→ NOが多ければ…「刺さる発信内容」に課題あり
【信頼・納得】
- お客様の声や事例を、定期的に紹介できている
- プロフィールやLPに「安心できる情報」がある
- 「この人から買いたい」と思ってもらえている手応えがある
→ NOが多ければ…「信頼を築く設計」に課題あり
【購入】
- 購入導線が迷わずにたどれるようになっている
- 数量限定・期間限定・特典など“行動を促す仕掛け”がある
- 実際に「買った人」が出ている
→ NOが多ければ…「購入への後押し」に課題あり
💡小さなワーク:
上のチェックで「NO」が多かったステージを1つ選びましょう。
その流れの途中に“どんな改善策”がありそうか、1つだけアイデアを出してみてください。
Tip 9:リピート・紹介が自然に生まれる設計があるか?
「またお願いしたいです!」──
この言葉が出たとき、売上の仕組みは“循環”を始める。
とあるフリーランスの話です。
彼女はあるとき、価格を安く設定しすぎて疲弊し、「このままじゃ続けられない」と悩んでいました。
でも、ある顧客からの一言で転機が訪れます。
「これ、知り合いにも紹介していいですか? 本当に助かったので…!」
その後、紹介が紹介を呼び、リピーターも増え、気づけば「営業しなくても自然と依頼が来る」状態に変化していったのです。
この背景にあったのは、“たまたま”ではなく、リピート・紹介が生まれるように設計された体験でした。
人が“また買う”“誰かに勧める”のは、どんなときか?
- 感情が動いたとき(嬉しい・驚いた・助けられた)
- 期待を超えたとき(価格以上・説明以上・想像以上)
- 「誰かにも教えたい」と思ったとき(共感・役立ち・感謝)
仕組みに変えるための設計ポイント
仕掛け | 内容 | 目的 |
---|---|---|
サンクスメールやフォローアップ | 購入後に感謝+活用方法の案内 | 感動と満足を最大化 |
お客様の声の活用 | インタビューやアンケートの掲載 | 信頼と紹介の連鎖 |
次回利用の特典提示 | リピートを前提に設計 | 行動の理由をつくる |
紹介導線の明示 | 「紹介すると〇〇」など | 紹介ハードルを下げる |
💡小さなワーク:
「自分が最近リピートした商品やお店」を思い出してみてください。
なぜ“また使いたい”と思ったのか? その感情を自分のサービス設計に活かせないか考えてみましょう。
最後に一言。
“売れる仕組み”の終着点は、「また会いたい」「誰かに教えたい」と思ってもらえる体験です。
それは、商品やサービスそのものだけでなく、“関係性そのもの”を丁寧に育てているかどうかにかかっています。
Tip 10:あなたのビジネス全体像は“1枚の図”で描けるか?
「なんとなくやってる」を卒業しよう
やることは毎日ある。発信もしてるし、売上も少しは出てる。
でも──「この流れで本当にいいのか?」と自信が持てない。
そんなときは、自分のビジネスの“全体像”を1枚で可視化してみることをおすすめします。
“見える化”は、改善の起点です。
売れる仕組みの全体図(モデル)
あなたのビジネスには、次のような構造があります。
cssコピーする編集する[認知] → [興味・共感] → [信頼・納得] → [購入] → [リピート・紹介]
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SNS ブログ/LP 無料コンテンツ 決済ページ アフターフォロー
広告 無料相談 実績/声 特典設計 紹介導線
この中で、「点があるけど線になっていない」「空白がある」箇所はありませんか?
簡易チェック:見える化5問診断
- あなたのビジネスの全体フローを、紙に描き出せますか?
- 各段階(認知〜紹介)に“担当する導線やツール”が割り当てられていますか?
- その導線は、定期的に改善・更新されていますか?
- 流れのどこかに「一番弱いポイント」はありませんか?
- その“弱い部分”の改善案を1つ以上言えますか?
→ 3問以上が“いいえ”なら、今が仕組み再設計のチャンスです。
💡小さなワーク:
あなたの仕組みをA4用紙に手書きで描いてみてください。
「ここ空いてるな」「ここがうまく流れてないな」という“構造上のスキマ”が見えてきたら、それは大きな前進です。
最後にひとこと。
仕組みとは、あなたが動かなくても売上が立ち、信頼が広がり、次に繋がっていく“自走する流れ”のこと。
それをつくるには、「見える形で全体を捉える力」が欠かせません。
あなたのビジネス、図で描けますか?
もし今描けなくても、描こうとするその瞬間から、もう仕組み化は始まっています。